見上げた視線の先で、
こっちを振り返った貢にぃは。



なぜだかほんの少し
ふてくされた表情で、
あたしを見ると――。



「早く来い。

置いていくぞ」



ぶっきらぼうにそう言って。


再びあたしに背を向けて、
歩き始める……。





そうして、
『パティスリー・ルナ』は。




今夜限りの、

あたし達だけの、



――ステキな
レストランに、変身した。





     ☆☆☆☆☆