ビタースウィート・レッスン 〜聖夜に特別レッスンを〜

「あ、あの、えっと……!」


貢にぃはそう言って
サッサと歩き出してるのに。


あたしが戸惑うみたいに
モゴモゴ言いながら
動こうとしなかったから、
貢にぃは怪訝な表情を浮かべる。


「どうした?

一緒にクリスマスの祝いが
したいと言ったのは美紅だろう」


「はぅ……

そ、それはそうなんだけど……」


ヤバい。


心臓が、このうえもなく
すっごい速さで打ち出してる。


急な下り坂を、自転車で
ノンブレーキで走って降り
ようとしたら、これくらい
緊張できるかな?



「なんなんだ?

行かないのか?」