ビタースウィート・レッスン 〜聖夜に特別レッスンを〜

あっけにとられてそれを
見送るあたしと。


――爽介さんの目が、
ふいに合う。


爽介さんは、パチンと
さりげないウインクを
残して、他の人と一緒に
遠ざかってった。



『がんばれよ』って。



……そう、言ってくれてる
みたいだった。





貢にぃの仕事仲間達は、
もうこっちを振り返る
こともなく、通りを進んで
行って――。


やがて、ざわめきも
届かないくらいに、小さくなる。



そこまで見守ってから。



――ようやく、貢にぃが
小さく息をついた。




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