ビタースウィート・レッスン 〜聖夜に特別レッスンを〜

「行ってこいよ、貢!」


少し離れた人の輪の中から。


凛としたよく通る声が、
あたし達の方に投げかけられた。


「爽介―――!?」


ふたりしてハッと見やった
その先には。


――爽介さんが、薄い
笑顔を浮かべて、こっちを
見てる。



「どーせお前、こっち
来たって酒飲めねーんだし。

ね、新条さん?

別に貢いなくったって
かまわないでしょ?」


爽介さんは、後半は傍に
いた男の人に向かって、
そう尋ねた。


年長者っぽいオジサンで
――あの人が責任者なのかも。