ビタースウィート・レッスン 〜聖夜に特別レッスンを〜

「ゴメンね貢にぃ。

今から打ち上げなんだよね。

わかってるんだけど――

でも今年だけは、あたしに
時間くれないかな?」


困惑してる貢にぃの瞳を、
ジッと見つめて。


精いっぱいの気持ちを
込めて――そう、伝える。


「美紅――……」


貢にぃは。


メガネの奥の切れ長の目を
細めて、あたしを見返して
たけど……すぐには答えが
出せないみたいだった。


こんなにハッキリ
狼狽してる貢にぃは、
きっと生まれて初めて見る。


やっぱり、ムリなのかな……?


ほんの少しだけそう
思って、不安になったとき――。