ビタースウィート・レッスン 〜聖夜に特別レッスンを〜

「だ・か・ら。

貢にとっては、『たかが』
なんかじゃねーんだよ。

美紅ちゃんをワッと
驚かせるくらいの物を
作りたい――。

そう思って、毎年考えて
きたんだと思うぜ」


「そんな――……」



……ホントにそうなの?
貢にぃ?



あたしにとって、それが
ただのクリスマスケーキ
なんかじゃないのと同じように。


――貢にぃにとっても、
『特別』だったの――?



「けど、今年はどーしても
準備の為の時間がなかったから。

ハンパなモン作るくらい
なら、いっそ今年は我慢
してもらおうと思ったの
かもしんねーな。

プロとしてのプライドも
あるし、何よりアイツ、
完璧主義だから」