ビタースウィート・レッスン 〜聖夜に特別レッスンを〜

「――ご名答♪

そんときに、漠然とな。

自分はこれを仕事にしよう
かな、と思ったそうだ」



ニコッとほほ笑んで、爽介
さんはその昔話を締めくくった。



あたしの頭には、記憶の
中の懐かしい光景が鮮明に
蘇ってる。



――子供の頃の、貢にぃが
焼いてくれたホットケーキ。


あの、運動会の日の夜のこと。


それは、あたしにとっても
懐かしい思い出として、
記憶の奥底にあったもの
だけど――

今、爽介さんの話の
おかげで、もっとハッキリ
思い出せるようになってた。