「昔は……こんなじゃ
なかったんです」


「ん? どーゆーこと?」


問いかける爽介さんの
声は、すごく優しい。


あたしはその声に誘われる
みたいに、自分の想いを
そのまま吐き出してった。



「子供の頃とか、貢にぃが
専門学校行ってる頃までは――

もっと気軽に声かけて、
しょっちゅう勉強教えて
もらったり、一緒に
どっちかの家でご飯食べたり。

そーゆーのしてたんです」


胸によみがえる、
懐かしい思い出。

あの頃は、毎日がもっと
楽しいことでいっぱい
だったな……。




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