「――貢にぃなんて知らないっ!

そんなに忙しいんだったら
パティシエなんて辞めちゃえ!!」



涙でゆがむ視界で、
貢にぃを睨みつけて。



あたしはたたきつける
ように、そう叫んだ。



貢にぃが何か言おうと口を
開いたように見えたけど。


……もう、それを
聞こうとも思わない。



あたしは踵を返すと一気に
階段を駆け登って、自分の
部屋を目指す。


バタンッと乱暴にドアを
閉めると、そのままずっと
自分の部屋に閉じこもった――。





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