「美紅………」


貢にぃが、驚いたような
困ったような。

そんな、普段はめったに
見せない表情で、あたしを
見てる。





……貢にぃのバカ。



ケーキ1個くらい、徹夜で
焼いて持ってきてよ。


プロなんだから、そんなに
時間かかんないでしょ? 

簡単でしょ?



でも、そんな1個のケーキを。



あたしが、毎年どんだけ
楽しみにしてるか。





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