恋花~桜~

「よぉし、全員そろったな。それじゃあ電車に乗るぞ!」

先生の号令で俺たちは函館行きの電車に乗車した。そして青函トンネルを通り、函館駅で降りた俺たちは、別の電車に乗り換えて、海の見下ろせるキャンプ場へ行った。

キャンプ場も快晴だった。海も空も青い。海風もおだやかで、さすが北海道というべきなのか、じりじりとした暑さでもない。今日この場所で待ちに待ったキャンプが始まるかと思うと、俺の心はさらに舞い上がった。

テント設営の後、海に入ることになった。でもそこは海水浴場ではなく、釣りができるような岸壁だったので男子しか入らなかった。

《せっかく保科さんの水着姿を拝めそうだったのに…無念…》

一度だけ体育の時間、スクール水着姿を遠目から見たことはあったが、あまりの手足の細さに驚いた。電車の中で水着の話になったのだが、別の水着を持ってきたと言っていた。だから余計に残念だった。

俺たち男子は、岸壁やテトラポッドに張り付いているウニをたくさん採った。採りたてのウニは最高だった。持ってきた昼飯のおにぎりと合わせて食べると最高に旨かった。だから俺はこのキャンプでウニが大好きになった。

そして…

忘れられないキャンプの夜が幕を開けた。