恋花~桜~

「高田君って、サッカー部辞めたんだよね」

《えっ?な、なんでそのこと知ってるんだ!?》

「あぁ、そうだけど…なんで知ってるの?」

目を丸くした俺に、保科さんはちょっと悪戯な表情で、

「だって最近練習行ってないじゃない。荷物も鞄一つだし」

俺の鞄を指差して言った。

「そうか…そう言われるとすぐわかるね。アハハ」

気恥ずかしくなった俺は、頭をかきながら笑って答えた。

「アハハ!!ごめんね~!!キャハハ!!」

保科さんは両手で自分のお腹を抱えるように笑った。まるでネコみたいにくったいなく笑う仕草は、あまりにも可愛すぎる。

《保科さんってこんな風に笑うんだな》

今まで知らなかった保科さんが、目の前にいた。

「あ、いけない。忘れてたわ。私ね、高田君に聞きたいことがあったの。いい?」

「うん。いいけど…なに?」

《俺に聞きたいこと…ま、まさか…そんなわけないよ。こんな美少女が…でも…》

一瞬にして俺の妄想は膨らんだ。でもまたすぐ蓋をした。俺の悪い癖だ。

「うん。あのね、高田君って、これから他の部活に入るつもりあるの?」

《なんだ…やっぱりそういうことじゃなかった。でも部活のこと?どうしてだろう》

「特に決めてないよ。別に得意なスポーツあるわけじゃないし、他に興味がある部活もないしね」

すると、保科さんは急に大きな声を上げた。

「ほんとっ?」

「えっ…あ、うん。嘘じゃないよ」

一瞬保科さんの口元が緩んだ…気がした。

「そっかぁ。じゃぁね…」

保科さんはちょっと考える素振りをした。

《ん?なんだこの間は…》

そして、唐突にこう言った。