「っと。ナイスキャッチ!」 遥斗は枕をキャッチした。 「まだ帰らないの?」 「もう帰るさ。そろそろ9時だしな。優の、両親は?」 「2人共海外に出張中」 あたしの両親は海外に出張に出ることが多くて、日本にいるときの方が珍しいくらい。 だから今は恵ちゃんがあたしたちの保護者代わりなんだ。 「そりゃ大変だな」 「そうでもないよ」 「そっか。…なぁ」 「ん?」 なんだかいつになくちょっと真剣な声だ。