「やだ!」 あたしは力いっぱい直樹くんを押した。 「わっ、」 直樹くんはベンチから落ちた。 「あっ、ごめっ、大丈夫?」 「大丈夫」 直樹くんは立ち上がりズボンについた砂を叩いた。 「優ちゃんホントおいしそう。食べてみたい」 そう言って直樹くんはあたしの頬に手を添えた。 …怖い…。 遥斗にこんなことされたことあるけど…。 それとは違う、なにか怖いものがある。 やだ…。