―――放課後―――


一番自由になったのを実感できる時間。学校という名の束縛から解き放たれる時間、放課後―――。

俺は嬉しくて仕方ない。


「ねぇ、新一君!」


そんな自由の喜びに浸りながら、校門に差し掛かったときに、いきなり後ろからクラスの【中井雪】に声をかけられる。



「なに?」

冷たく言う。この手の女は正直めんどくさい。


「今日ひま?」


「暇じゃない」


「じゃ、いつ暇かな?」


静かにしていれば、おしとやかなお嬢様系だがこの【中井雪】はとにかくうるさい。

厄介なタイプだ。