「ミックスソフト1つ
お願いしますっ」
今じゃソフトは俺の担当。
柊のより上手いものを2日で作った俺。
しかも、失敗も少なく。
初日にあんなドジしちゃったもんだから、名誉挽回のつもり。
バイトを詰め込みまくったお陰で休みの日も柊とシフトが重なることが多くなって、明らかに接する時間が増えた。
そして、一番の変化がこれ。
「柊、帰ろう」
「あっ、ちょっと待ってー」
バイトの終わる時間が同じ時に、2人で帰る様になったこと。
初めはいくら送るって言っても断ってた柊も、最近はそんなこと言わなくなって、ごく自然にこんな流れになる。
「反対方向なのに、ありがとう」
「それ、帰る度に聞いてる」
小さく笑って言うと、柊はいつもと同じ様に“しまった”って顔をした。
「いや、ここ
落ち込むとこじゃないし」
「そっ…そっかぁ!」
