「ふぅーん。“まだ”ね」
ムカつく。
ムカつくムカつくムカつく!
柊を下の名前で呼んだこと。
俺の気持ちがバレバレなこと。
なんか全部、腹が立つ。
恥ずかしさと怒りできっと赤くなった顔を見られないように、篠塚に飴を投げ返してすぐに俺は逃げる様に教室を飛び出した。
「真瀬君、遅刻ーっ」
バイトの制服に着替えてレジに出ると、そこには既に柊が居た。
その姿を見た瞬間、体の血が逆上した。
……気がした。
「真瀬君?」
「あっ、うん!悪い!」
篠塚が変なこと言うから………
「今日はね、ソフトの作り方
みっちり教えるからねっ」
「はぁーい…」
お客さんが途絶えた頃を見計らって、ソフトクリームの作り方を習う。
柊が作ったのは思った通り、少し崩れたものだった。
「はい。真瀬もどーぞっ」
冷凍庫から出された1つ分のチョコレートアイス。
それを柊が今俺の目の前でやってくれた様に機械にはめて、スイッチを押す。
