その言葉に篠塚は大袈裟にリアクションして見せた。
「ちょ、汚いな。
米が飛んできたんだけど」
「わり。てか、え?
お前さ…それ、大丈夫?
親父さんに内緒だろ?」
質問攻めするうえに、こんなに慌てた篠塚はなかなか見れない。
ムービーが撮りたくなる気持ちを抑えこんで、篠塚にバイトに至った経緯を説明した。
「へぇー!康太の為に!
良く出来たお兄ちゃんだこと」
それは明らかに馬鹿にした言い方で、恥ずかしくなった俺は慌てて付け足した。
「だからー…親父への
反抗心も有るんだってば!」
「あぁー、はいはい」
流石弄るの大好きなだけある。
まずい。
“あのこと”だけは知られたら駄目だ。
絶対ネタにされるに決まってる。
“あのこと”だけは、内緒に……
「真瀬君っ」
内緒、に………
したかったのに。
