尽きない言葉


結局、午前いっぱいやる気が出ずになんとなく授業を受け流していた。


「やったね、昼飯だ」


「篠塚君、寝てただけなのに
 お腹空くのかな?」


「お前に言われたくねーよ」


そんなやり取りをしながら向かうのは食堂。
やっとこの4月に2年になってから使える様になってからは毎日篠塚とここで昼を食べてる。

俺らの学校は上下関係に五月蝿くて、何と無く1年は食堂は使っちゃいけないってのが暗黙のルールってやつで。


面倒臭いのは嫌いだけど、入学しちゃったんだからしょうがない。


「智哉、何食う?」


「カレーにしよっかな。
 美景は?」


「名前はやめれ」


「ああ、ごめんごめん美景ちゃん
 …じゃなくて篠塚君」


「死ねよ」


美景の“死ね”には愛が込もってるの知ってるから、俺は特に言い返さなかった。

美景……基(モトイ)、篠塚は散々悩んだ揚句、俺より50円高いカツカレーを頼んだ。


「智哉、たまには遊ぼうよ」


「パス。俺バイトあるし」