尽きない言葉


本人いわく、そのギャップがいいらしい。

馬鹿かって思うけど、俺もそれに惹かれた一人な訳で。

自分をもってる篠塚は妙にかっこいい。


だけど、性格が曲がりまくり。

バイトで足腰が痛む、なんて言ったら間違いなく腹がよじれるまで笑うだろう。
いや、それでも笑いは止まらないかもしれない。


しかも一度笑ったことはしばらく忘れず、それをネタにしたり、人の顔見りゃ笑い出す始末。

とにかく人を弄ることに命をかけてる男。


「あ、篠塚また左耳に
 ピアス増えてんね。
 45個目じゃん。すげぇな」


この場合の“すげぇ”は呆れて言ったんだけど、篠塚はそれに気付いてないみたい。


「流石智哉っ!気付くの早いっ」


「なに、そんな穴開けて。
 ……ドMだったの?やっぱり」


「“やっぱり”って何だよ!?」


焦る篠塚にわざとらしい笑顔を向けて、俺は机に突っ伏した。


「は!?おまっ…卑怯だぞ!」