尽きない言葉


「もー!とも兄っ!
 自分に見とれてなくていいから
 早く食べてよー」


「な…、ばっか!
 見とれてないっつの」


「冗談なのにーっ」



あぁ、康太に構ってたら遅刻しそう。


「康太も早く食え」


いつもより慌ただしい朝を迎えた俺は、学校に着く頃には既にボロボロだった。



「智哉、おはよ。
 なんか随分疲れてんね」


こいつはよく一緒に居る篠塚 美景(シノツカ ミカゲ)。


「おー……、美景ちゃんおはよ」


「誰が“美景ちゃん”だって?
 俺は男だっつの!
 つか、名前で呼ぶなって
 何回言えばいいのかなぁー?」


篠塚は美景って名前が気に入らないらしい。
まぁ、俺がこーやってからかうのも一つの原因なんだろうけど、名前だけ見た人が女だと思ってしまうってのもある。


大体、名前と見た目のギャップが有りすぎる。

可愛い名前しといてピアスは体中合わせて44個。
これでも減ったらしいけど。

それから金に近い茶髪の頭。