「そうだ、さっき言いかけたね」
「うん?」
あたしが理系めがねくんのことを
考えていたのを読んでいたかのように
話しかけてくる理系めがねくん。
空気読んでくれるよなって感じ。
なんとなく、このチャンスがあれば
聞けるような気がする。
彼は相変わらず手に本を持っている。
何かは知る気もないけど難しそう。
「お兄ちゃんの暴力事件を教えてください」
「暴力事件?」
何のことだろうと言わんばかりの表情。
そのとぼけた顔、認めません。
集会まで開かれて知らないはずない。
…ましてや兄弟が。
「嘘でしょ、知らないの」
「あいつの暴力事件は数知れないからね」
お兄ちゃんをあいつと呼ぶ弟くん。
光景としては妙。
ついでため息を漏らす理系めがねくん。
