「バカには見えないのかなあ。
あたしにはわからないんだよね」
「もっと目開けてみてよー!
あの10人くらいの集団にいるよ」
あたしがあきらめかけているのを
晴は認めないといわんばかりに
どんどんヒントを与えてくる。
ヒントって…問題じゃあるまいし。
もっと目開けてだなんてどこまで
無理な注文を言うんだろう。
それをしてバカが直れば良いのにね。
10人くらいの集団、という言葉を
信じてもう一度あたりを見回す。
そこにいた大勢の男子集団。
大きな声で騒ぎながら彼らは
教室のまえにたむろしている。
そしてかなり近寄りがたい雰囲気を
かもしだしてるのもわかる。
絶対近寄ろうとは思えない。