それでも晴はあたしが首をかしげて

わからないアピールをしてることにも

まったく気づいてる様子はない。



「はーる!どこにいるの?」


晴の肩をポンポンとたたく。


やっと我に返った晴はさっきよりも

遠くを指差している。

だけどやっぱり人ごみからは何度

目で追ってみてもわからない。


本当に東海林一志に会えるかもって

なったら急にテンションが上がった。

やはりうわさからじゃなくて

本物を見て人を決めるべきじゃない?