「CHAMPさん、出番次でーす」


イベントのスタッフが出番を知らせに来ると、メンバーは立ち上がり、腕をまわしたり体をひねったり、体をほぐしながらステージ横へ向かう。

僕と社長も、彼らに続き歩き出した。

と、その途中で泉聡太郎が僕に向かって振り向いた。


「ねぇねぇ、崎さんさあ。客席で僕らのステージ見ててよ。」

「え?」


急に言われて、少し戸惑ってしまった。



「そうだなあ。崎さんには客の立場で見てもらいたいかもっ」

「うん。こんな横から見てるよりは、な」


神村祥二と桜庭明翔も笑顔で同意する。