迷姫−戦国時代

浅波は淡々と話を続けた
「我が国が誇るのは独自の感性を生かして作られる者つまり芸能って事なんだ」

「確かに長の案はいいですね。けど旅に芸能者を共には辛いのでは?」

「それには同感だ。けど宮火、此処に素晴らしい芸能者がいるだろう」

浅波さ美羽の方へと向いた

美羽は視線が合い言葉の意味を理解し急に手を横に振り否定の顔をした
「む、無理です!少しだけ簪を昔から作っていたのとそれを売るのでは、実力が違います。私とでは雲泥の差です!」

「人によって感性は異なるもの。だが美羽様が作りになられた簪を御覧になった武則様と秋影様は大層褒めておいででした。あの御二人方が申していたのですから己の腕に誇りをお持ち下さい」

断固否定する美羽の動いていた手が止まり大きく可愛らしい目は大きく見開いた

「兄様と父様が・・・私の作った簪を・・・?」

「はい」
宮火の固定の言葉に浅波も同じの様に頷いていた


桜美家の者は美に長けておりそれに対する感性は鋭く、それは誰の目が見ても確かであった




そしてもちろん美羽も受け継がれているのである