迷姫−戦国時代

納屋の前に馬から下り美羽は戸を引いた

中には浅波が傷の手当をしており美羽を見て微笑んだ

「―――っ浅波!」
美羽は浅波に向かい抱き着き浅波は優しく受け止めたのであった



「無事で・・・良かったです」

「姫もよくぞ無事で。宮火、御苦労だったね」

「長も御苦労様です」

それぞれに一声掛けあった後浅波は一息吐き二人は浅波の次の言葉を待った



「さて、これからどうするつもりだい?」


これからとは私達はどうやって身を隠し千紫を取り戻すかの事であります

「私は思うのです。私は自国についても何も知識がありません。また他国、近隣諸国などの現時点の状況が全く分からないのです。だから私は他国を回り学びたいと思います。それ故に適切なのは・・・」


話の途中で切り上げふと桜花で出会ったあの方を思いだす



「――――商売人としてどうでしょう。商売人なら自然と国の情報などが手に入ると思います」

「商売ですか。それなら確かに国の状況、発展、国主などの情報が忍をしてるよりは少ないけど情報を得る事は出来るね」

浅波の言葉に宮火は彼に顔を向ける

「確かに良い案だが、余り目立つ様な事があれば反って危険になるのでは」


浅波はニコリと微笑み二人を見た
「それなら案があるよ」