迷姫−戦国時代

桜美家秘技






       「”桜花”」










刹那





辺りは一面に美しい桜花が咲き誇った


圭吾は何が起きたのかと後ろを振り返り、見た先には・・・




秋陰の手がゆっくりと倒れていく姿だった





圭吾は懐から笛を出し、口にあて息を吹き美しい音色へと演奏した



その音色は美しくそして哀しく

まるで、この桜花を愛した桜美家への最期の挨拶の様に・・・

















あぁ、なんて美しい音色なんだ・・・


人は悲しみがあるからこそ幸せを感じるんだ

美羽、君も悲しみを乗り越え幸せになるんだよ

父上、母上、沢山の千紫の者よ、今からそちらへと向かいます




自分は、当主として立派でしたか?

桜美家へと生まれてきて幸せでした











そろそろ、眠ろうとします



西賀の若き当主よ、美しい音色をありがとう





美しい千紫の桜花





最後に君を見れて・・・


今なら君を許せるよ
















いつまでも愛してる



















そして








お休みなさい


















桜美 秋影
享年二十歳
二十歳の若さにして亡くなった美しい千紫の当主


彼は最期まで国を愛し、希望を託しお亡くなりになりましたのでした