「・・・!ッグハ」
口から血を吐き出し、楠木の刀が秋影を貫通しそれを滴る様に腰から大量に血が流れていた
「ほぅ、心臓を避けれたのか、だが・・・」
ズシュ
刺している刀を荒く抜き取り膝を付く秋影を冷たく見つめながら
「急所を狙われたのではもう助かるまい。これで桜美家、否千紫は終わりだ」
この言葉により千紫と浬張の戦は終戦の合図でもあった
楠木は刀を仕舞い兵を引き連れ去って行き浅波は急いで秋影へと駆け寄った
「秋影様!」
秋影を横に安静にさせ欝すらと目を開けた
「すまない・・・どうやら負けてしまったようだ。
見ての通り、・・僕はもう助からない。直に、・・・ッゲホゲホ!」
「秋影様!もうそれ以上は・・・!」
浅波は血を吐きながらも瞳だけは熱い熱を宿しこちらを強く見ている秋影に言葉を止めた
「部屋の書物の中に、封が、挟んである・・・。あれを君に持ってて、もらい、たい・・。最期のお願いだ。頼む、行って・・くれ、浅波!」
「分かり・・ました」
浅波は立ち上がり悲しい表情をしながら秋影の側を離れ城へと向かった
皆、何故最期の願いを自分に託す・・・
何故皆、自分より先に逝ってしまうんだ
残された者は、どうすればいいんだい
倒れている秋影の元に緑の装備をした男が辿り着いたのは浅波が立ち去り直ぐであった

