迷姫−戦国時代

美羽が城から出て二人はより激しさを増した攻防を繰り広げていた

「フン、この程度か。お前は何に気を取られておる、敵が目の前におるというのに。儂を失望させるな」
楠木は柄を回転させ刃先を下に向け下から上に切り付ける様に刀を振下し秋影は寸での所で受け止め急に片腕を出した

「“秘技”蘭と・・・っ!?」

驚愕している秋影に楠木は嫌らしくニヤリと笑いその隙に秋影の腕を切り付けた

切り付けられた片腕を手で抑えながら秋影は楠木を睨みつけた

「貴方は、一体どこまで知っておるのだ!」

「フン、お前はまだまだ知識が足りないのう」

「知識・・・・?
それは一体何に対する知識かは僕には見当もつきませんが」

「生憎儂はお人よしじゃない。聞きたくば儂から一太刀取ってみろ」



秋影は傷口を見つめ次に楠木へと身構えた

「ハァァァア!!」
掛け声と共に秋影は駆け出した



楠木は刀を手前に体の中央に構え瞼を閉じた

「(あの技は・・・)待って下さい秋影様!行ってはなりません奴のあの構えは・・「おーい国浅、外野は黙っとるんじゃい」
そう言い万助はクナイを浅波目掛けて投げた

「クソ!」クナイを避け浅波が見た先には・・・

楠木に後一寸で攻撃をしかけようとした秋影に楠木はゆっくりと真っ赤に染まった朱い瞳を開き口元は円を描いて刀を腰の位置に持ち替え反撃を繰り出した





刹那







浅波の先には・・・



秋影と楠木の二人が重なっていた