「自分の為に泣いて良いんですよ」

「!!・・・」

「美羽さんも・・・生きたかったんですよね。美羽さんの、本当の気持ちを教えて下さい」

もう一人の美羽は涙を出しながら
「・・・・くしも・・・わたくしも、生きたかったですわ。御父様、御母様、御兄様と一緒に」

「うん、うん」

「沢山笑ったり怒ったり悲しんだり、皆と話たかった、後・・・あ、逢い引きというのもしてみたかったのです。それに・・・」
逢い引きと言った後から顔を真っ赤にしたまま

「わたくしは美羽さんが好きですわ。こんな出会いですがもっともっと美羽さんといろんなお話をしたかったですわ」

「私もです。それにさっき美羽さんは“お互いが信じていればまた会える”って御自分でいいましたでしょ?今は時間はなくてもまた作ればいいのですよ」

「そうですわね。またお会えしましょう、必ずですわ」

「美羽さん、ありがとうございます。
必ずまた会いましょうね」

「はい。・・・・必ず!」


お互いが最高の笑顔をして消えていった






その場にはもう二人の姿は無く、いるのは神の使いだけがいた


「んー勝手にそんな約束しないで欲しかったな。否、出来る事は出来るけど・・・
さて、僕も行くか。色々とやらなくちゃいけない事があるからね」


パチンと指を弾き

彼の姿は何処にもいなかった