あれから武則達の戦はまだ続いていた

「くそ、まだこんなにも敵がいるなんて、考えもしなかったよ!」
こちらの兵はまた一人、また一人と倒されていくのに対し浬張兵ではどうだろう。初めよりも数が確実に増えてはいないか

浅波は刀で次々と目の前に現れる忍を確実に急所を狙い討っていた

浅波はあれから、かれこれ三時間は戦いっぱなしであり過酷な戦いであるため浅波は一旦呼吸を整えようとした



刹那


ガキイイイィィィィン


急に前方に振りかざされた刀を朝波は己の刀で受け止めた。後少し遅ければやられていただろう


「良くぞ受け止めた」

そう言った目の前男は刀より少し短い刀を持ちそれを浅波へと押しつけていた

「何処かで見たと思えばアンタ“あの時”の忍ではないかい。まさか浬張の忍になったとはね・・・」

「ああそうだ。どうだあの時の決着を今からでもつけるか?」

「あー。悪いが今それ所じゃないんだ・・・!」
突然もう一方からの敵を確認した浅波は目の前の男の刀を跳ね退け浅波は後ろへ下がり一度体制を整えた


新しく現れたのはさっきの忍同様の長さをしているのに朱色の刀を手に持っていた

「久方ぶりじゃのう国浅。二十五年ぶりじゃ。正か生きてたのか。死んだとばかり思っとったわい」

「生憎俺もお前はとっくにくたばってるとばかり思ってたよ−−−万助(ばんすけ)」

「国浅、よう考えてみぃ。儂がいると言う事がどう繋がるかいよ」
万助の言葉に気付いた浅波は武則が戦っているだろう方向へ走りだした

「待て待て、“儂等”がいることを忘れぬのじゃ」
そう言うと万助ともう一人は目の前に立ち塞がった

「そこを、どけぇーーーーー!!」
浅波は腰にある刀をもう一本持ち二刀流で二人へと向かった


だが既に遅かった
二人に向かう時、浅波が武則の姿を確認した時には

















彼の後ろには“朱い鬼”がいたのだ