話は少し前に戻り・・・






東側を護る千紫側の指揮官である園部の隣に宮火がいた

「宮火、お前は秋影殿の護る側ではなく、何故こちらに来てるんだ?」

「己の意思であり、また姫に命ぜられたからです」

「そうか。何時敵が来るか分からぬ。油断はするなよ。戦は常に死との隣合わせだからな。忍でもあるお前に言わなくてもいらん事だがな」

「はい義父上」

淡々と答える宮火に園部は眉を寄せながら腕を頭へと向けた

「!」

「血は繋がっては無いがお前は俺の息子だ。お前は昔から一人で何かしようとするのがある。たまには人に頼よる事をしないと身が持たんぞ。俺はお前の父親だ、俺にも頼ってはどうだ?」

眉を下げながらヘラリと笑う園部に対し宮火は目を見開いた

「分かりました義父上」











二人の方へ一人の兵が駆け寄ってきて二人に話し掛けてきた

「園部様!浬張兵と思われる騎馬隊がこの山を渡りこちらに向かってる様です!今すぐ我々に指示を下さい!」

緊張が走り二人は顔を強張らせた

「準備を整え次第兵は俺と共に敵を討ちに行く。宮火、お前は我々の後ろを頼んだ」

言い終わるや否園部は兵と共に向かって行き姿が見え無くなった後一人残された宮火は目を光らせながら吐いた

「我々忍は援護する側四人、伝令側四人残る側五人と別れよ」

彼の後ろから草むらが少し揺れそれを確認した宮火は布を口元へと上げ静かに呟いた

















「千紫に勝利を・・・」