城の門の前へと着き、門にいる門番の一人に話し掛けた


「お久しぶりです。フフ、少し年をとりましたね。入っても宜しいですか?」

三十代くらいの門番は目の前の少女の正体に気づいたらしく目を見開いた

「もしや・・・美羽様でござるか?貴女様は亡くなられたとばかり・・・」

「ただいまです」

一言吐くと美羽は門をくぐり抜けていった















もう一人の門番の男は涙を浮かべている男に話し掛けた

「おい、今の別嬪さんは通してよかったんか?」

「今の方は美羽様だ。誠に美しくおなりで」

「美羽様って確か十年前に亡くなったんじゃないんか?」

「否、あの方は誠、美羽様だ。若き奥方様に良くにて美しい方だ。わいが見間違える筈はない」

「そうか。だが何故今頃帰ってきたのか、おいにはさっぱりだな」
しかめながら話す男に涙を流した男も同感であった

「まぁわいらには関係無いことだ。だが今日は宴があるかもしれんな」

「そうなるな。そしておいらは警備をしとけば良いん。泣いてないでしっかりやると」
泣いてた男は涙を拭きニコリと笑った

「そうだな。わいらはしっかりやるぞ」














そして再び二人は門番を続けたのであった