夜中に中々寝付けづに美羽は目を覚ました

「眠れないです」

夜中であるため何もすることがないために美羽は一先ず水を飲もうと部屋を出た


少し歩くと浅波の部屋に明かりが灯っていたため明かりを点けたまま寝てしまったのかと思い浅波の部屋へ向かってみた

後少しで部屋の前へ着く頃に話し声が聞こえた

「何、五日には北西から楠木が攻めてくるだと?!」

「はい。武則様から集まれとの伝令が。他の家臣には別の忍に向かわせてあります」

美羽は肩を震わせた

楠木とは・・・

今最も天下に近い男

そんな方に千紫が敵うはず無いのは一目瞭然

何故楠木が

分からないわ

どうすれば良いのでしょう



そしたら障子の奥からまた話し声が聞こえた

「宮火、お前は明日美羽様を連れ此処から去るんだよ」

「分かってます」

そんな、私だけ逃げるなんて

残された皆はどうするのですか

御父様、御兄様・・・







「では私は今から城に向か・・

いきおい良く障子が開けられた
そこには美羽が立っていたのである

ゆ・・・由利どうしたんだい。こんな夜中に・・・」


浅波は凄い形相をし宮火は目を見開いていた


「話しは聞きました。私は明日の朝、鶴水城に帰る事に致します。これは姫の命令です」

「美羽様我々は美羽様の事を考えての考慮です」
浅波は由利から美羽に名前を戻し深刻に話した

「私も桜美家の者、国の一大事でありますのに逃げるなど私を愚弄するのと同じです。よいですね二人共」

言い放ったその姿はまるで国の当主の様に凛々しく威厳のあるものであった

「「分かりました」」

浅波はその場から姿を消し部屋には宮火と美羽、二人だけであった


「宮火、貴方には申し訳ないのですが、引き続き浬張兵の視察をお願いします」

宮火は一度頷き部屋から出て行った


一人残され美羽は部屋を出て必要な物を持って行く為に準備しに行った










「戦など、嫌いです」



か細く吐いた言葉は一人でいる部屋に静かに響いたのであった