ほのかに香る匂いは他の女とは違う、自身の何かを狂わすような、夢中にさせるものがある・・・
腕の中に収まる″それ″は先程の疲れもあり、大した抵抗を見せなかった
「何故このようなことをするのですかっ・・・」
睨む目とは裏腹に頬の赤みがその言葉さえも意味を成さない
思わず化粧を施された頬へと手を当てれば、ビクッと表情が強張るのだった
光彦はそれにわざと気付かないようにそのまま目尻をなぞる
美羽はその行動にただただ瞼を伏せるだけだった
彼女は疲労により全身が重かった
支える彼から離れたらそのまま倒れてしまうかもしれない。だが決して彼へと身を預けることはしたくなかった
暫く光彦は美羽の顔をなぞる手を止め、徐に口を開いた
「・・・水を飲むか?」
「・・・いただきます」
美羽から離れれば部屋の隅に置かれた水飲みを手元に持ってくる。そしてそれを湯呑みへすすぐ
今にも畳に倒れそうな美羽をまた腕の中へ閉じ込める。今度は抵抗しない美羽に湯呑みを口元へもっていけば開かれた口へ徐々に吸い込まれる
弱々しく飲む姿にも艶やかさを増す
「ありがとうございます」
湯呑みが口元から離れれば吐息が漏れる
不意に光彦の手が美羽の顎へと近付き、
そのまま二人の唇が重なる

