この音色はどこで聴いたのかしら
美羽はそっと瞼を閉じるのだった
この音色はそう、
少し前に・・・
ーーーいいえ、もっと前からよ
「ーーー殿、ーーー殿」
誰かに呼ばれているようだった
でも、誰だか思い出せなかった
その者の表情はうやむやだが、ここ浬張の民にはない濃い茶色の綺麗に纏められたら長い髪に翡翠色の瞳の
私を呼ぶのは・・・
うっすらと瞼を開く
「美羽様失礼します」
襖の向こうから聞こえたまつの声に意識が向かう
襖を開けばまつとそのよこに煌びやかに輝くそれに美羽は目を見張る
「今宵遠方から参りましたお客様との夕餉があります。故に美羽様も参加するようにと殿が」
どんなことがあっても美羽には拒否権がないそれに、顔に出しそうになるのを我慢すれば「分かりました」と、まつに返す

