あの一件から光彦は美羽の前に現れることはなかった
それから数日、美羽は監視の中ただただ過ごすしかなかったのだ
何もなかった部屋の外には夏を匂わせる風鈴が掛けられていた
これは美羽が次女に頼んだ物で外から聞こえる風鈴の音に耳を澄ませるのがここ最近の日課になっていた
美羽は周りに気配がないかを確かめ懐から小さく折り畳まれた紙を取り出せば広げて見るのだった
紙に書かれていた内容は数日間で美羽が知る城の見取り図だった
それを見て一つ息をもらす
「どうやって逃げ出せばいいの・・・」
今の美羽の時点で知る城の中は限られており僅かな場所しか連れてかれないからだ
そして何より美羽に味方など居ないのだから
額に手を当て深く溜め息をつけば、どこからか聞き覚えのある音色が聞こえたのだった

