全身が氷りついたように身体は動かなかった。それだけではない、これは先程彼が質問した時の答えにもなるからだ
美羽だって馬鹿ではない
近来の身体、ましてや自身の身体を理解していないはずがないのだからな
その中で著しく現れたのは目だった。日に日に色は濃くなりそれはまるで
浬張の民
そう、疑問に思わなければならなかったのだ
何故兄と私だけが違うのか
だが彼女が気付くはずは無かったのだ
そのことに振れる前に父である武則がそれを止めたからだ
それは我が子を按じてか、はたまた国のためか
それを存じているのは亡き父、亡き兄
そしてーーーー亡き母の側近であった彼、浅波だ
果たして美羽は彼から真実を聞けるのだろうか
それは彼にも分からない
その時が来るのかさえ
だがある”者”は笑うのだ
決して踏み入れるべきでない境界線をギリギリの所で踏みとどまりながらも全てを観覧することが出来る存在が
「この世に罪を侵したのは紛れもないお前の父と母だ」
そう言い放てば美羽の身体は急に何かに引かれるように隠れ部屋から出るのだった
美羽は何事なのだと顔を上げた
引かれる、否そのままの意味で美羽の片腕を掴んでいるのは光彦だった

