美羽を見つめる者は皇朱や六凪、白呉、舞歌と同等の存在である
だがこの場で一つだけ違うのは彼だけが”単独”で行動をしている事だった
本来国の神はその場を離れることは少なく、仮に離れるにしても人の身体を介して現れることの方が多いのだ。何故ならそれは国によって神々の領域があり、己が神だとしてもそれは礼儀に反するからだった。だからこのような場で彼の行動は異様としか言えない
ましてや五加木の神など・・・
状況に追い付けずに黙っている美羽を他所にその者は口を開いた
「千紫の姫よ・・・
皇朱はどうした」
美羽は目を大きく見開いたのだった。それは開口一番に美羽が知りたくても知れなかったことをこの者が突いてきたからだ
大きく見開かれた目は次第に伏せ悲しい表情へと変わる
「残念ながら私では皇朱様は、分かりません。部下に国の異変を調べてくるように頼みましたが私が捕まり、分からぬままそれっきりです」
その者は確信するように頷けば、本来の役割を反する行動をするのだった
「お前はもう・・・千紫の姫ではない。気付いているのではないか、身体の変化を」
その者の言葉は先程の光彦と同様の言葉であった

