光彦の目の前に立つ重綱に化けた男はゆっくりと顔に手を覆う
「一つ、我等には知る権利がある。二つ、我等はそれらを語る権利。三つ、立ち合う権利を強要する。これ等を踏まえて某は・・・」
そしてそれは面を外すようにゆっくりと動き、現れたのは
「傍観させてもらう」
深い群青の髪と瞳。その瞳は一体何を見てきたのか何処までも沈み高い鼻筋は人を嘲笑うようであった。そして何よりその者の纏う覇気はその者の存在を強調するように部屋に浮き立っていた
いきなり現れた男に光彦は黙っている筈がなかった
「今此処にて貴方様が立ち合う理由等ないはずですが」
お前には関係ないと言う光彦に対してその者は気にも止めずに冷静なまま表情を変えない
「某の前で嘘を付くとは」
その者は光彦に向けた視線を横にずらし美羽が隠れているであろう場所へと向ければ、光彦の眉がほんの僅かに反応する
その行動を目の前の者は見逃さない
「お前もまた、愚かだ。ふむ、ほんの少し分からせてやるのもまた躾か」
その者はそう呟いた瞬間に足元から文字の羅列が四方八方に広がり光彦は目の前が真っ暗になった
そして崩れ落ちたのをその者は眺めたのだった

