ガタン
襖が開かれる音がした
美羽は僅かに肩を振るわせるがばれないように息を殺し聞こえてくる音に耳を澄ますのだった
「お前・・・」
「どうかなさいましたか父上」
楠木、もとい重綱は襖を閉めれば棚に置かれた本へと向かった
「お前には知る価値がある」
「・・・知る価値とは」
重綱は先程光彦が手にかけていた本を手に持ち机へと向かった。光彦も重綱の元へと向かうのだった
ペラペラと捲れば手は真新しく書かれた所へと止めるのだった
「此処には、儂とお前達兄弟が書かれておる」
それは楠木家を名乗る者だけにだ
勿論文官が記帳するため儂等の介入は無だ。だが直に国から出ていた万助が戻るだろう。そうすれば真実が知れるのではないか」
「此処には何をしに来られたのですか」
少し強い声音に壁越しにいた美羽はビクリと肩を振るわせた。彼女にとっては全く分からぬ状況に声だけが確かな情報だった
「貴方様が単独で行動するとは思いもよらなかった」
貴方様?相手は楠木ではないの・・・?
「ふむ、何か不満かね。それが返答だ」
刹那楠木の声とは違い良く通る男性の声が聞こえた

