迷姫−戦国時代

数分前のことだ





フフ、








社(やしろ)の中、突如として現れ踵を翻し己の場所へとは違う方向へと向く



そこには浬張全体を見渡せる景色に女は微笑むのだった



















「ああ、変わらぬ。変わらぬわ。変わらなくていいのよ」









彼女・・・舞歌の言葉は一体何を見て発したのかは、それは当の本人にしか分からないことだ














ーーー「なあ舞歌殿よ。貴女も勘づいているだろう。止まった時間が・・・流れ始めたのをな」







不意に白呉殿の言葉を思い出した舞歌の表情は一転する






可憐で美しい顔は憎悪に染まりその顔は跡形もなく消え失せていた



「時が流れることは、この私が許さないですわ。今までだってそうだったのですもの」





彼女の回りの木々がざわめき、暗い空気を辺りに巻き散らす





動き出した時が止まらない?いいえ、動くのならまた止めればいいだけ








思えば時の歯車を動かしたのは誰だったのかしら


あの美羽という娘かしら?


否、秋穂・・・





お前が全ての元凶






舞歌の瞳はおどろおどろしくギラつき、次第にそれは笑い声へと変わる




フフフ、フフ・・・・・・







いいわ、もう一度壊してあげる
”あの時”だって、否・・・いつもと同じよ。何も変わらないわ変わらないのよ




私がまた・・・・

ーーー「・・・今のお前は憐れよ」


ピクリ、
笑い声が静まり真顔になったりと喜怒哀楽の激しさは一言で言うならば異様だった





「憐れはお前よ。分からせてあげるわ」



そう残せば舞歌の姿は消え失せたのであった










そして舞歌の向かった先は・・・