「 」
耳元で口にした言葉は何なのだろう
あんたはもう、千紫の者じゃない
私が千紫の者でなければ、なら一体私は・・・・・・
私は、
頭を下げ肩を振るわし今にも崩れ落ちそうな美羽を支える光彦は頬に止めていた手を離せば美羽の片手はだらりと落ちたのだった
その姿をじっと眺めている光彦はあろうことかこの状況に口元を緩ませた
あと少しだ
この女はどこまでいけば堕ちるのか
察しがいいからあんたは気が付いたはずだ
父上が血の繋がりを持つ、身内でしかも甥にあたる千紫の若当主を殺したのか
否、此処浬張は血縁者同士の殺生など本来は禁忌なのだからな
だから、この女の復讐は無になる
俺はあんたを殺せない、そしてあんたも俺を殺せない
なんて滑稽なのだろうか

