ーーーねえ、護り刀の祈りとはなあに?
幼い少女が大分年上の少年に可愛らしく聞いたのだった
聞かれた少年は優しく微笑み少女の頭を撫でるのだった
「祈りとはな、家族皆が離れ離れにならないように、って願いを込めてあるんだ。だからもし離れ離れになっても最後は皆、どんな形であれ此処に戻ってこれるようになるんだ・・・」
ーーー
「な、何を言ってるのですか。何かの間違いですよ」
目を見開き、驚愕を隠せない美羽に対し、光彦は冷静に美羽を見つめ、後退する美羽の右手を掴んだのだった
「間違いなどではない。あんたは叔母の護り刀に選ばれ此処に戻ってきたんだよ。
主を失った刀は主の肉親を介して此処、浬張に戻ってくるんだ」
「私は千紫の者です、決して浬張など・・・!」
「千紫にあんた達兄妹の容姿をしている奴等はいるのか」
光彦の指摘に瞳が揺れた
確かに千紫の者の容姿は薄茶や黒の髪、髪と同じ色の瞳しかいない。なのに美羽と兄、秋影の容姿は髪や瞳に赤が混じっており、美羽に関しては瞳に異変を感じていた。それは徐々に身体を朱に染めるように、毒のようにだ
光彦の的を指す言葉に美羽は唇を振るわせながら、恐る恐る口にしたのだ
「では・・・全ては、全ては護り刀の祈りの仕業なのですか」
父が死んだのも兄が死んだのも、多くの民が死んだのも・・・。全ては護り刀が私を介して此処に戻るためなの?

