帯をキュット締める音が部屋に響く
そして帯留めを止めればまつは一礼した
「では朝餉をお持ちしますね」
「待って」
髪を綺麗に横に結い、若草色の小袖を着た美羽はまつの赤い瞳を見つめたのだった
美羽の深く沈んだ赤い瞳に見つめられたまつは、少しばかり見惚れていたが次にはハッと気づき頭を下げたのだった
「私は、貴女を知らないわ。これからの事もふまえて、教えて?」
優しく微笑む美羽にまつは自然と入れていた肩の力を抜くようにホッするのだが次の瞬間にそれは間違いだったと判断するのだった
「貴女、私の事が憎い?」
美羽の深くも重みのある言葉にまつは肩を揺らしたのだった
「お、恐れながら私には、そのような事は存じません」
「・・・そう」
美羽はまつの言葉に興味を無くしたようで、鏡台へと向かい座り込めば徐に包帯を巻かれた首を触っていた。それと同時に僅かに涙の後が残っていたのか、それは昨夜泣いたのが明らかだった
美羽への質問が終わったのだと勝手に解釈したまつは数歩後ろに下がろうとしたのだったがそれは違った
「私には父と兄がいたわ。身内は居ない。今では桜美家を名乗る事が出来るのは私だけ。貴女は?」
「・・・私には父母、上に一人、下に二人と兄弟がいます。生まれは農民ですので政に関しては全く関わりはありません」
「言葉の訛りが無いのは意外ね」
「は、はい。女官は城に勤める前に独特の訛りが出ないように勉強します」
「そうだったの。もういいわ用意お願い」
まつは今度こそ開放されたのだと喜べば礼をし、一度部屋を後にしたのだった
そして帯留めを止めればまつは一礼した
「では朝餉をお持ちしますね」
「待って」
髪を綺麗に横に結い、若草色の小袖を着た美羽はまつの赤い瞳を見つめたのだった
美羽の深く沈んだ赤い瞳に見つめられたまつは、少しばかり見惚れていたが次にはハッと気づき頭を下げたのだった
「私は、貴女を知らないわ。これからの事もふまえて、教えて?」
優しく微笑む美羽にまつは自然と入れていた肩の力を抜くようにホッするのだが次の瞬間にそれは間違いだったと判断するのだった
「貴女、私の事が憎い?」
美羽の深くも重みのある言葉にまつは肩を揺らしたのだった
「お、恐れながら私には、そのような事は存じません」
「・・・そう」
美羽はまつの言葉に興味を無くしたようで、鏡台へと向かい座り込めば徐に包帯を巻かれた首を触っていた。それと同時に僅かに涙の後が残っていたのか、それは昨夜泣いたのが明らかだった
美羽への質問が終わったのだと勝手に解釈したまつは数歩後ろに下がろうとしたのだったがそれは違った
「私には父と兄がいたわ。身内は居ない。今では桜美家を名乗る事が出来るのは私だけ。貴女は?」
「・・・私には父母、上に一人、下に二人と兄弟がいます。生まれは農民ですので政に関しては全く関わりはありません」
「言葉の訛りが無いのは意外ね」
「は、はい。女官は城に勤める前に独特の訛りが出ないように勉強します」
「そうだったの。もういいわ用意お願い」
まつは今度こそ開放されたのだと喜べば礼をし、一度部屋を後にしたのだった

