気付けば彼女は目の前にまで来ていた
「私の事、ご存知?」
全身が震えそうになるのを美羽は我慢した
美羽は知っている。この声、この容姿に彼女から溢れるおぞましい力に
「ねえ、貴女は何故いるのかしら」
何も答えない美羽に対して相手はもう一度言い寄った
「お前は死ぬはずだった。
これは決まりごと。なのに何故かしら?」
刹那、彼女の纏うオーラが変わった。凄まじいオーラが禍々しい怨念となり正面にいる美羽に全身から当てるのだった
その怨念にドクリ、ドクリと心臓を強く圧迫する
「私は、何者なのですか」
浬張のあの男や不思議な力を私は知らない。何も・・・・・・知らないのだ。己の事に、この世界の事に
彼女は数歩下がり身を翻し一回転すれば鈴の音が美しく鳴る。それだけの動作なのにとても美しかった
「本当、何も知らされてないのね。己の出生の秘密も、親も、力も」
いいわ。教えてあげる
でも、今の貴女じゃ駄目よ
だって今の貴女は覚悟が足りないのだもの
でも、私に聞くのではなく時期に貴女も知る事になるわ
脳内に響く彼女の声音が消え去ると同時に廊下側の障子が開かれ、先程出ていった彼がいた

