何故俺はこんな行動をしたのだろうか
男の隙間から浬張では見掛けない薄茶色の髪を覗いた瞬間には俺は走り出していたのだ
俺が此処に来た経緯を話そう
俺は食事を終え、部屋へと戻る為向かっていた。そしたら滝沢が目の前に表れた
「光彦様。娘が所持していた物で妙な物がありました」
滝沢は何故父上ではなく俺に渡したのか引っ掛かったが、滝沢はその物を目の前に差し出したので受け取る事にした
布に覆われているそれは、持ってみれば直ぐ様短刀だと理解した
何故これが妙な物なのか、表情には出さずに布をほどこうとすれば直ぐ様・・・
「あの娘が妙に切羽詰まった顔で探していた物ですので、自身のお部屋で確認をお願いします」
そう促す滝沢に内心舌打ちをしながらそれを懐に仕舞えば、滝沢は礼をして目の前から居なくなった。胸くそ悪いまま部屋へと辿り着いた俺は早速滝沢から渡された物を確認するべく開けようとしたら
「失礼します光彦様。ーー様がお呼びでございます」
「今か?」
女中の呼び掛けに、苛立ちを持ちながら応えば「申し訳ございません」と障子越しに言われ仕方がなしに物を戸棚に隠し障子へと歩みよる
障子を開け廊下へ出れば頭を下げた女中が顔を上げて申し訳なさそうにこちらを見たのだった
「今日もなのか」
後ろから弱々しく「はい」と聞こえれば何度となく溜め息をつくのだった

