あの後暫く経つと美羽は桜の近くで先程山に登るまえに買った団子を頬張っていた

所謂お花見を

「んん〜、美味しい」

手の平に桜の花びらがまい落ちてきた

自然と頬が緩み
「此処に来て、本当によかった・・・」



ゆっくりと背を後ろに倒し仰向けの状態になった

空と桜花を見つめ

「五年と月日が経ち・・・今ではこの世界に慣れた私を貴女はどう思っていますか」

「この世界は・・・・・みな侍は丁髷ばかりだと思ってたのに普通の髪型にはビックリしました。それでも着物は変わらず、でも戦の装備などは少しばかり派手で・・・・・とにかく私の知ってる歴史とは一味も二味も違う事。それには驚きを隠せないのです」
フフフと笑い

少しばかり敬語が外れている自分に気づいた

彼女は元から丁寧な言葉遣いをするがこの世界によってもっと正しい言葉遣いにと、キヨに教育されたので今だけ本来の自分に戻ったと感じた



フフっとまた笑った瞬間に彼女の表情が一瞬で鋭い表情にとなった

何だろうこの冷たい感覚

これは殺気・・・と言うのか、だがその殺気が徐々に小さくなっている


否、これは小さくなっているのではなく、弱っているのだと分かった刹那



彼女は団子を包み懐へ仕舞い交換に護身の懐刀を出し殺気の出てる方へと歩いていった





















怖い・・・けど今逃げれば今後絶対に後悔する事があるだろう

だが、悔やむ思いをするならいっその事、行こうと思った自分を信じられないが彼女は歩いていったのであった










「ーーーッ、く・・・・そぉ」

声がし、その声は少年の声だと知った彼女は尚一層急いだ









そして彼女が着いた先は














腕から血を流しながらも必死に相手を睨みつけている少年と冷たい目をして刀らしき物を持っている変わった服装をした大人がいた