「ありがとうございました」
「由利、今日は此処までにしよう。宿を探さなくちゃいけないからね」
「分かったわ」
片付けを始める二人に美羽も一緒に手伝う
櫛を棚に入れ風呂敷に包んでいる時にふと浅波がある事に気がついた
「おや、あれってさっきの人じゃないか?」
誰が?と思い美羽と宮火は言われた方向に向くと「あの人は・・・」と美羽は呟く
「あー、ちと伺いたいのだが此処ら辺に物を無くしたんだが見てないか?例えば紙とかな・・・」
その言葉に美羽は思い出した様に袖から丁寧に折りたたまれた紙を見せた
「もしかしてこれですか?此処に落ちてました」
「おおそれだ!ありがとう」
少し照れながら受け取るとそれをしっかりとしまい美羽達を見つめた
「今日はもう終わりなんだな」
「はい、今日はもう終わってこれから町に向かいます」
「何か買いたいのだが俺は生憎あげる相手がいないんだが、何か礼をしたい」
「っそんな、礼なんて結構ですよ」
「宿なら貸せる。どうせまだ決まって無いだろうに」
「えぇ・・・「なら有り難くお邪魔させて頂きたい」
渋っている美羽の横から入った浅波は承諾する
浅波の行動に驚きつつも此処は彼に任した方がいいかと会話を譲る美羽に宮火は事のなりいきをただ見届けるだけである
それから浅波と男が話し合いを終えたらしく男は二人へと振り向いた
「名は狛津。何も無いが我が家へ」
「由利です。此度はありがとうございます」
「宮火だ。恩に着る」
会話をした後に美羽達は荷物を持ち狛津と言う男と共に彼の家へと向かった

